【略暦】元・国立佐賀医大副学長兼病院長
久留米大学長
日本内科学会会頭
日本循環学会長
日本リウマチ学会会長
世界心臓学会副会長
日本リハビリテーション医学会会長
人間ドック学会会長
日本臨床栄養学会会長
血液がドロドロ!!浄化しきれない栄養分が血液中に残留
年末年始は、つい食べ過ぎて、健康を壊しやすい時期でもあります。
特に高カロリー、高タンパク、高脂肪の食事は、内臓を弱らせるばかりか、血液までもひどく汚してしまいます。

食べ過ぎるとなぜ血液がドロドロになる?
焼肉を食べた次の日の血液の中を覗くと、赤血球か連銭状態につながり、細かい粒子状の脂肪滴がまるで吹雪のように見られます。(図参照)。
焼肉に限らず、ハンバーグや中華丼、とんこつラーメンなど、タンパク質と脂肪を多く含む食事の後には、同様の変化が血液に現れます。
これは糖質を中心とした過剰な栄養分が浄化しきれずに残ったためです。
過食はこのように血液を汚すのです。

ふだんは自然食を基本に腹八分目を心がけていれば、血液もすぐにきれに浄化されますが、毎日のように脂っこい高カロリーの食事をお腹いっぱい食べていては、脂肪肝や慢性すい臓炎などの内臓疾患が発症し、またドロドロに汚れた血液がめまいや頭痛、やがては怖い脳梗塞をも引き起こすことになります。
以前は、脳梗塞は血液が収縮しやすい冬に多く発症すると思われていましたが、実は汗をかいて脱水になりやすい夏の方に発症率が高いのです。
つまり、血管側の因子以上に、血液の性状がサラサラであるのか、ドロドロなのかが大きな要因であるということが、このことからもわかります。
ですから、過食によって血液が汚れてドロドロの時間が長く続くことは、脱水と同じように非常に危険なことなのです。
一番気をつけることは、何と言っても食べ過ぎないことです。
食事の時にはお水を飲んで血液の流れを良く保ち、食物酵素を多く含む生野菜をたくさん取るように心がけましょう。
夜中にラーメンが食べたくなっても、寝ている間の血液がどうなっているかを想像して我慢しましょう。
認知症予防に効果
「葉酸」はビタミンB群の一つで、緑色の野菜などに多く含まれる栄養素です。
胎児の発育や高齢者の認知症の予防に効果があり、その役割が注目されています。
ところが、葉酸はビタミンの一種にもかかわらずビタミンという名前が付いていないためか、知名度が低いという欠点をかかえています。
葉酸が不足すると?
葉酸はアミノ酸や核酸の合成に必要となる補酵素であるため、細胞分裂の盛んな箇所において欠乏症が現れやすいといいます。
症状は、貧血、免疫機能減衰、消化管機能異常などが見られます。
また、心臓病や大腸ガン、子宮頸ガンのリスクがあるとの報告があります。
さらに、妊娠期に葉酸が欠乏すると、神経管閉鎖障害が起こり、十度の場合は死に至り、無脳症の発生のリスクも高まります。
妊娠初期に不足すると先天異常の確立が増加
神経管閉鎖障害に対しては、妊娠初期が重要で、特に通常まだ妊娠に気付かない第一週が最も葉酸を必要とする期間であると考えられています。
つまり、妊娠の初期に葉酸が不足すると胎児の二分脊椎症などの先天異常の危険性が高まるということです。
米国では、1998年から、法律で小麦粉などの食品に葉酸を転嫁するよう義務づけられました。
その結果、先天異常が減少し、さらに脳卒中の死亡率が激減したといいます。
このように、葉酸の十分な摂取が胎児だけでなく高齢者の健康を守ることも分かってきました。
こうした健康を守る新しい流れは、カナダ、中南米諸国、欧州、東南アジアまで広がり、多くの国で食品に葉酸を転嫁する法律が施行されています。
日本では、厚生労働省が2000年に、妊娠可能な年齢の女性に対して、二分脊椎症などの神経管閉鎖障害の発症リスク低減のために葉酸を取るように薦めています。
しかし、産科に相談に行く時には、すでに胎児は育ち始めています。
そのため日本では、二分脊椎症の発症が増加傾向にあり、葉酸を知っているという妊婦は、わずか4%にすぎないという現状です。
葉酸は緑色の野菜に

葉酸は、ほうれん草、小松菜などの緑色の野菜や果物、豆類、レバー、海藻ではノリ、お茶では玉露に多く含まれています。
葉酸は水に溶けやすく、光に浴びると分解してしまうので、食品の取り扱いに気をつけましょう。
厚生労働省によると、一日に取るべき葉酸の量は240マイクログラム。
妊娠可能年齢の女性は一日当たり400マイクログラムを摂取するよう勧めています。
しかし、これはサプリメント(栄養補助食品)のような、純粋で吸収しやすいモノグルタミン葉酸を摂取した場合の量です。
食事で摂取する葉酸は吸収の悪いポリグルタミン葉酸で、高齢者が240マイクログラムを取っても、血液中の葉酸濃度は低くなってしまいます。
(残念なことに日本の食品成分表では、まだ両者を区別していません。米国では、食物中のポリグルタミン葉酸の吸収率は、モノグルタミン葉酸の60%と、厳しく定めています。)
この葉酸が不足すると血液中に「ホモシスティン」が増え、動脈硬化の引き金となり、認知症発症リスクが高まります。
現在、葉酸入りのパンや卵、カレーなど、各種の葉酸入り食品が導入されていますが、緑色の野菜や海藻類などの積極的に食べるようにしたいものです。
調理や長期保存による酸化によって葉酸は壊れるため、新鮮な生野菜や果物から摂取するのが良い供給源となります。
大量の飲酒は葉酸の吸収や代謝を妨げるので注意しましょう。
「自分の健康は自分で守る」ことを銘記し、日ごろから食事の管理にも十分気をつけましょう。
